第12章 雪白(R18:菅原孝支)
「スガって基本下心だだ漏れだよな」
ほらやっぱり。
長ネギを袋に詰めながら大地が呟いた。瀬野さんだけに料理してもらうのは忍びないから、鍋作りを手伝いたいのだと彼は言っていた。
「ああ、分かる。黙ってれば天使みたいなのにな、意外とこう、肉食系だよな」
旭は砂糖を袋詰めしながら言う。
瀬野さんはお菓子作りも得意らしいから、教わりたいのだと彼は言っていた。
ツッコミどころが多すぎてどこから言及すればいいのか分からない。
「ロールキャベツ系男子だろ? この前クラスの子に言われた」
結局一番ポピュラーなバターを購入した俺は、嶋田さんに一礼しつつ店を出た。
基本下心全開。
実は肉食系。
まあ否定はしない。俺だって男の子である。というか結構普通に男の子やってるつもりだ。この外見のせいで誤解されやすいけど。
「あー、そうそう」
「ロールキャベツぽいわ」
「旭はもろアスパラ系な」
そんなどうでもいい会話に花を咲かせて、足並みを揃える俺たち。
目指すは愛しいあの子の家。
嶋田マートから徒歩十分の道のりを歩けば、この辺では珍しい赤い屋根の一軒家が見えてくる。
さあ、楽しい鍋パのはじまりだ。