第2章 嗚呼、愛しのバーレスク!(R18:影山飛雄)
*
「ちょ、貴大さん!一静さん! マジで勘弁してください!」
「つべこべ言わずに行ってこいって。お前、そんなんだからいつまで経っても売れないんだよ」
「一発ヤッて男上げてこい、トビオ」
これだから男はイヤなのだ。
どうしてこう、何かに付けてすぐ【性】と結びつけたがるのか。それがあまねく男の習性というのなら、その肉欲の根源となっている生殖器ごと切り取ってしまえばいいのに。
閉店間際にやってきたホストたちを横目に、私はそんなことを考えていた。
滅びてしまえ、と思う。
「……私、優のこと一生恨むわよ」
「おやそれは恐ろしい」
「末代まで呪ってやる」
「はいはい。分かったから、もう行って。あのお店の人たちには何かとお世話になってるんだから」
満面の営業スマイルを浮かべる店長、こと、大将優に軽くあしらわれてスタッフルームを出る。
あれほど【あの店】の連中と寝るのはいやだ、と言ったのに。金の亡者め。一生恨んでやる。
ブラックライトの光る廊下。
優への文句をぶちぶちと独りごちて、私は今日の仕事部屋へと向かった。
人生最悪の日、だ。