第9章 カレとカノジョの相対性理論 (R18:木兎光太郎)
「大丈夫か? 苦しい?」
「……っ、へい、き」
「痛かったらちゃんと言えよ」
わかった?
私のなかに挿ってこようとする木兎さんは、本当に紳士的で、ちょっと過保護なくらい優しかった。
ギャルソンのロゴステッカーが貼られたゴミ箱には、避妊具が入っていたビニール袋が捨てられている。
バナナ味。
バナナ味?
そう首を傾げた私に「これ舐めても平気なんだってさ」と軽やかに告げた木兎さんは、やっぱり笑顔だった。
「二回戦目は舐めてね?」
「……っそん、出来な、あっ」
「えー、俺三回はイケんのに」
少しずつ花壁を押し開きながら、彼は冗談なのか本気なのか分からないことを言う。
始終平気そうな顔をしているけれど、一番深いところまで自身を埋めた途端、その瞳に悦楽が浮かんだのが分かった。
ふる、と身震い。
それから私の腰を両手で掴んで、熱視線を投げかけてくる。
「動くからな」
「………ん、きて」
言いながら小さく頷くと、彼が腰を引いた。徐々に抜けていく陰茎を尖端だけ残して、それから再度挿入していく。
おっきくて、苦しい。
本当は挿れてるだけで精一杯。
でも、彼でいっぱいに満たされていることのほうが嬉しくて、私は木兎さんにぎゅうっと抱きついた。