第1章 キミは宇宙の音がする (R18:灰羽リエーフ)
花が、寛げられていく。
最奥を目指して進む彼は、時折、私の反応を探るようにして角度を変えた。
肉壁が押し割られる感覚に肌が粟立ち、お腹の底のほうから快感が迫りあがってくる。
「……っ、ぁ、すご……い」
「どう? 俺の、イイ?」
「ん、……凄い、きもちい」
ああ、私たちはひとつなのだ。
そのことが嬉しくて、嬉しくて、思わず顔が綻びそうになる。
しかし、そんな私とは対照的にリエーフの表情は曇っていた。それは、もう、普段の彼からは想像できないほど悲哀に充ち満ちている。
どうしたの、とは、問えなかった。
「こんなに、……好きなのに」
彼がぼそりと呟く。
「こんなに、好きなのに……っ」
はらり
舞い落ちたのは、彼の。
彼の、初めて見る涙だった。