• テキストサイズ

(R18) 行かないで青春 (HQ)

第1章  キミは宇宙の音がする (R18:灰羽リエーフ)



 溢れんばかりの愛液に気付いたリエーフは、心底嬉しそうな顔をして口角を上げた。

 蜜口に溜まったそれを指ですくい取り、わざとらしく小首を傾げてみせる。


「好きじゃないのに濡れるんだ」

「…………っ」

「身体は正直、スね」


 もう、誤魔化せない。だけど素直にもなれない。言ってしまえば始まってしまう。始まってしまえば、いつか終わりがくる。

 要するに、怖いのだ。


「絢香さん、……好き」

「ぁ、……ん、リエー、フ」


 私はズルい女だろうか。

 応える気がないくせに、拒絶する勇気もなくて、結局こうして彼を受け入れてしまっている。

 のぼせた身体を理由にして、目の前の快感に溺れたフリをして、彼に抱かれる喜びに打ち震えている。


「…………挿れていい?」


 ダメ、と言おうとして、しかし私は頷いていた。

 これが最初で最後だから。だからせめて、思い出を。彼に愛された記憶(シルシ)をこの身体に刻みたかった。

 本当に、私はズルい人間だと思う。

/ 454ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp