第1章 キミは宇宙の音がする (R18:灰羽リエーフ)
「好きです、絢香さん」
言葉が先だったか。
行為が先だったか。
それは定かではないのだけれど、触れた熱はたしかに口付けだ。
キス、された。
そう理解したときにはもう、二度目の口付けが降り注ごうとしているところだった。
「ん、やめ、……リエ、フ」
鍛えられた胸板を押し返してはみるが、私の力では到底及ばない。
拒もうと唇を閉じても、その度に無理矢理こじ開けられて、彼の舌にねろりと歯列をなぞられた。
くちゅ、と濡れた音がする。
それがとんでもなく卑猥なモノに感じられて、胸に込みあげる【何か】の正体が分からなくて、涙がにじむ。
「泣いたってダメですよ」
刹那的に離れたキスの隙間。
やけに低く、それでいて甘く、リエーフが言う。再びキスが降ろされるのと同時に、彼の美しい五指が私の太腿を撫であげた。
制服のスカートへの侵入は容易く、彼はあっという間にその先の恥丘へと辿り着いてしまう。
「……っ、ん……!」
「はは、……エロい声」
計らずも漏れた嬌声に、飢えた獣が呼応する。
頭上に縫い留められた両手。暴かれていく下腹部。ついに捲られたショーツのなかは既に濡れていて、私の惰弱な本音を吐露してしまっていた。
あなたが好き。
あなたが、──欲しいの。