第7章 少年期の終わりは時として (R18:日向翔陽)
そこに映っていたのは、私。
今まさに翔ちゃんが座っているベッドで膝を抱き、身体を小さく丸めて涙を流している、私だ。
「……ど、……して」
ピピピッ
また着信音。
【メールが届きました】
ポップアップウィンドウに表示される名前。翔ちゃん。また彼からのメール。添付ファイル付き。
震える指でタップしてみると、次に映しだされたのは着替えをしている私の後姿だった。身につけているのはブラとショーツだけ。
「かわいい下着だよね、これ!」
とびきり明るい笑顔。
悪びれた様子ひとつ見せない。
一体何を考えてるの。
この子、何が目的なの。
「でもね、おれの一番のお気に入りはー……あ、あった、……この写真だよ」
ピピピッ
【メールが届いています】
「──………!!!」
4.7インチの液晶のなか。
映るのはまたも私の自室。
ベッドに寝そべる私は両脚を大きく開き、自らを慰めるようにしてショーツの中心を弄っている。
うそ。嫌。見られた。
どうして?
どうやって?
送られてきた三枚の写真。
すべて同じアングルから撮られている。ベッドの、反対側だ。でもそちらには何も家具を置いていない。あるのは、壁にかけられている時計だけ。
翔ちゃんから送られてきた、誕生日プレゼント。
「嘘……翔、ちゃん……、まさか」
「あははっ、──今更気付いた?」