第1章 突然の居候!?
家に帰れば俺は直ぐに飯を作る。いつもなら速攻風呂に入るところだが、生憎、もう一人の居候が一番風呂を占拠したからだ。
「まだ春先だから良いものの、夏になったら厳しいぞ…」
若干汗をかきながら、俺は餃子をフライパンに敷き詰め水を入れた。
「ふぃ~…やっぱし一番風呂は最高だわ~」
「人の家でなに言ってんだよ。」
キッチンからそっちに目をやるとバスタオル一枚しか巻いてない櫛原がいた。
ショートカットの櫛原の髪が水滴のせいだろうか、その時妙に色っぽく見えた。
「か、かかか楓!!服ぐらい着てこいよ!!」
「え?…あ…」
どうやら自分でも気づいてなかったようだ。
「み!みるなぁ~!」
「見るなって…母さんの服なら…上の左の部屋にあるから…それ使えよ。」
「ご、ごめん。借りてくるね…」
階段を登っていく音を聞きながら、俺はドキドキしながら餃子を皿に移した。
.......
「いただきま~す!!」
「楓さぁ、ずっとここにいるつもり?」
「ん?ひゃあ、わはんはい。」
こいつはどこまでも自分勝手だな。と思いながら餃子を口にしてテレビを付けた。
「あ、このゲーム来週発売だったっけ。」
「相変わらずゲーム好きだね~山田。」
「ゲームは俺の生き甲斐だからな!!」
「もしかしてさ、前にやってたギターのやつもやってたりするの?」
「あぁ、まだやってるよ。
1年前だから…2回ぐらいバージョン上がった気がするけどな。」
「じゃあ、明日やりにいかない?」
「え…まぁ良いけど、部活良いのか?」
「確か明日はうちらの担当日じゃないから、大丈夫だよ。」
そんなことを言っている間にも、櫛原は飯を食べていた。
「ごちそうさま~いや~食べた食べた。」
「片付け手伝ってくれるか?」
「あぁ、今いくよ。」
何だかんだで助かってるのは確かだ。
.......
「しっかし、この家広いね~」
「まぁ去年建てた家だからな。母さん達も新居感覚だったろうに…」
「え…もしかして…」
「海外出張だなんて…」
「出張かよ!!早とちりした私が恥ずかしいよ!!」
何とか櫛原を宥めると、俺は空いてる部屋を綺麗にして布団を敷いた。