第1章 突然の居候!?
「わざわざ悪いね。」
「家主としては当たり前だから気にすんな。」
「山田は…隣の部屋?」
「うん、ベットで寝たければ、俺がこっちに行くけど…
まぁ今9時だし、俺はこれから3時ぐらいまでゲームやってるから、何かあったらこの部屋の隣に来いよ。」
「…じゃあ、私も見てもいい?」
「まぁ、気分を害しても保証しないけどな。」
そんな事で、俺の渾身のゲーム達が揃う部屋に櫛原は足を踏み入れてしまったのだ。
「うわ~この棚のゲームの量何?」
「買った順番になってる。
一番最初に買ったのは…たしかポキャモンだったな。」
「あ!!このギターのゲーム!!ソフトになってるの!?」
人の話を聞かずに、全くマイペースにも程がある。
「今は何やってんの?」
「フリーゲームかな。
ダウンロードしてやってないやつが溜まってたから、今日消化しようと思って。」
「フリーゲームって、赤鬼みたいな?」
「よく知ってるな。」
「友達が動画見てたから。
あれ怖かったよ。」
櫛原のある程度の知識に、俺は少し驚いた。
「…これ…やってみるか?」
「え、良いの?」
「うん、データ2なら使ってないから、お前のデータにしてやるよ。」
「ホント!?やりたいやりたい!!」
櫛原は俺の差し出したコントローラーに飛び付くように操作し始めた。
「お~これ楽しいね!!」
「上手いじゃん。あ、死んじゃった。」
「あちゃーミスっちゃったよ~ね、もう一回いい?」
「あぁ、その間俺は攻略サイトでも見てるから、好きなだけやってていいよ。」
その後、櫛原は2時間かけてそのゲームをクリアしてしまった。
「案外簡単だったな~。」
「よし、じゃあ次は俺がやるよ。」
しばらくすると、櫛原は椅子の上で眠っていた。
「全く…運ばなきゃじゃないか…」
椅子からそっと抱き上げるとショートカットが揺れて香りが漂った。
「…なんか…良い香り…」
顔を近づけた瞬間、櫛原の目がパチリ。と開いた。
「…?」
「あ、」
「きゃゃゃゃゃゃー!!」
その次の日、俺は地べたで目を覚ました。