• テキストサイズ

【マギ*】 暁の月桂

第19章 緋色の夢 〔Ⅳ〕


「何をしている、ハイリア。虫さされではないぞ」

「え……? 違うんですか? じゃあ、なんで隠せだなんて……? 」

「あの、だな……、ハイリア。……あいつに何かされなかったか? 」

「え……、ジュダルに? 何か……」

言いながら、だんだんと先程の羞恥を思い出してきて、急激に頬が熱くなるのを感じた。

―― まさか、まさか……!?

吸われた首筋の感覚を思い出して、体が火照った。

慌ててどこだかもわからない首筋を押さえ込み、急いで髪留めを外して長い白髪を下ろした。

肩にかかるように髪を撫で下ろしていた時に、胸上にも薄く赤い痕がついていることに気づき、急いで服をたくし上げる。

ぼうっとしていたせいか、気づけなかった自分に恥ずかしくなる。

「これは……、その……」

「言わなくていいぞ、ハイリア。あのバカは何をやっているのだ……。あいつの勢いにのまれて、誤って奪われるようなことにはなっていないだろうな? 」

「奪われ? え……?! 」

突然、驚き固まったハイリアを、紅炎は驚いて見ていた。

「まさかとは思うが、ハイリア。わかっていなかったのか?! 」

「だって……、そういうことは付き合ってから起こることじゃ!? 」

「そんなわけないだろう! もう少し大人になれ、ハイリア! 」

紅炎にきっぱりと言われ、ようやくジュダルの言っていた意味がわかってきたハイリアは、顔を真っ赤に染め上げた。

とたんに先程の行為がよけいに恥ずかしくなってきて、顔を手で覆い座り込んだ。

「どうしよう……、紅炎様。私、もうジュダルと会えません……」

恥ずかしすぎて、穴の中にでも入ってしまいたかった。
/ 677ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp