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【マギ*】 暁の月桂

第19章 緋色の夢 〔Ⅳ〕


「おいおい、大丈夫か? 」

笑いながら言ったジュダルの声が、奥に深く響いてぞわりとした。

耳の上腹を弱く噛まれ、息が詰まり、刺激を受けるたびに体がピクンと痙攣して足が震えた。

耳の裏側を這う熱いものが首筋の方まで下がっていき、堪えられないぞくぞくとした感触に、全身が痺れる。

おかしいくらいの強い刺激に、熱くなった体は息を乱し、浅い呼吸を繰り返していた。

首筋まで這い降りてきたところを強く吸われ、頭の中が真っ白になった。

力が抜けて座り込みそうになった体を、気づけばジュダルに支えられていた。

「あぶねぇなー。立てなくなったなら、早く言えよ」

ジュダルの声を聞きながら、地面にへたり込んだ。

体が熱いし、息が荒い。よくわからない浮遊感にも似た感覚がしていて、頭がぼうっとしていた。

にやにやと笑みを浮かべているジュダルが、こちらを覗き込むように目の前に座り込んできたから、負けた気がして思わず視線を逸らした。

「なに休んでるんだ、ハイリア? まだ終わってねぇだろ? 」

覆い被さるようにジュダルが首筋に顔をうずめてきたから、ハイリアは戸惑った。

再び首筋へと舌を這わせはじめたジュダルを押しのけようとしたが、肩を抱かれているせいで、彼の体は動かない。

引き寄せられた体を、再びぞわりとする感覚が駆けめぐった。

ゆっくりと下がりはじめた熱い刺激から逃れようとして、体がピクンと弓なりに跳ね上がった。

首筋から鎖骨へと這わせられた感触が、全身をぞくぞくと痺れさせ、目の前をチカチカとさせた。

胸の辺りに顔をうずめる、ジュダルが見えて顔が火照った。

黒く長い髪から漂う、桃のような甘い香りに酔いそうになる。息が乱れて、さらに体が熱をもっていく。

崩れそうになる体を押さえられ、鎖骨の下へと這う熱いものに身震いした。

胸の谷間に迫るあたりを柔く噛まれて、吸われた。

「……っや、……っん、もう、やだぁ……、ジュダ、ル! 」

喘ぐように紡いだ言葉に、ジュダルはようやくうずめていた顔を、離してくれた。

なんだか力が抜けてしまって、彼の服を掴んでいないと辛かった。

熱い体で息を乱しているこちらの様子を、ジュダルは満足げに眺めていた。
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