第15章 暗夜の再会
「おい、チビ。まさかこんなもんで終わりじゃねーよな? もっともっと遊ぼうぜ!! 」
杖を掲げたジュダルは、強大な雷を作り上げてアラジンに向けて放り込んだ!
ウーゴの行動に困惑し、必死で笛に戻るように呼びかけているアラジンは、攻撃が迫っていることに気づいていない。
「逃げて、アラジン!! 」
ハイリアが声を張り上げたが、アラジンは気づかない。
もう、間に合わないと思ったその時、アラジンに向かって赤毛の少女が飛び込んでいった姿が見えた!
とたんに、雷撃が地面を襲って、すさまじい爆発音が響き渡った。土煙があがる中から、モルジアナがアラジンを抱えているのが見えた。
「アラジン大丈夫!? しっかり!! 」
「モルさん……」
彼女のおかげで、アラジンは雷撃をなんとか避けたらしい。二人が無事だとわかって安心した。
「おお、チビ。その女なんだ? すっげー素早いじゃん……」
感心していたジュダルの後ろから、走り込んでいったのは、アリババだった。
「こっちだ! このイカレ野郎!! 」
短剣を振り下ろすと、ジュダルの防壁魔法に突き立てる!
「だからぁ、俺には普通の攻撃は効かねーんだよ……」
攻撃してきたアリババに向かって、余裕の顔して構えていたジュダルの防壁魔法を、次の瞬間、刃が突き抜けた。
切り裂いた光の膜を抜けて、アリババの剣がジュダルの頬を斬りつける!
血が流れ出た頬に、ジュダルが触れた。
「痛ってーな! 」
怒りを露わにして、ジュダルは、アリババを睨み付けた。
「ああ……、忘れてたよ。『迷宮攻略者』だったな、お前」
短剣で尚も攻撃する意思をみせるアリババに向かって、ジュダルは杖を振りかざした。
杖先から巻き起こった爆風で、アリババは勢いよく後ろの壁へ吹き飛ばされた!
アリババの近くにいた人達まで、その巻き添えを受けて、大勢の人達が、壁に叩きつけられた。