第15章 暗夜の再会

アラジンへと向かった氷の槍は、彼のジンが振り回した腕で、容易に砕かれた。

しかし、氷槍は、アラジンだけでなく、広場の人達へも降り注いでいく。

逃げまどう人達に向かって、氷の刃は容赦なく突き刺さっていった。

地面に突き刺さった氷塊は、その場を凍り付かせ、逃げる足場さえ塞いでいく。

周囲が混乱する中、シンに抱えられているハイリアは無事だった。

氷槍のいくつかを、シンが避けてくれたおかげだった。

シンが動く度に、動かない体がズキズキと痛み、何もできないことに苛立ちを覚えた。

「へぇ、やるじゃん！　でもまだ槍はたくさんあるんだぜ！！　」

ウーゴの実力をみて、ジュダルは巨大な氷塊から再び無数の氷槍を作り出した。

そして、すぐさま氷槍を、巨人に向けて振り下ろす！

「ウーゴくん！　」

アラジンのかけ声と共に、走り込んだ青いジンは、襲いかかる氷槍の動きを見定めて、右へ左へと避けながら、ジュダルへと向かった。

そして、彼の真下までくると、巨人とは思えないほどの跳躍力で飛び上がり、腕を振り上げた。

ジュダルが目を丸くする中、ジンの巨大な手が、彼の真上から降り注ぐ！

強くはたきつけるような攻撃によって、ジュダルの周りを囲んでいる防壁魔法が音をたてて歪み、そのまま地面に叩きつけられた。

激しい衝撃音と共に、地面が割れ裂け、地面に大きなくぼみを作った。

「ははっ！　強えーじゃんそいつ……」

ジュダルは、割れ裂けて変形した地面から、ゆっくりと立ち上がった。

防壁魔法に守られたようで、大した傷もみられない。

「でも、これで勝った気になんかなってねーよな！？　俺の氷は、まだ残ってるんだぜ！　」

対峙するアラジンに向けて、ジュダルは、にやりと笑い杖を傾けた！

アラジンが、はっとして空を見上げた先には、宙に浮かぶ氷塊がギラリと光っていた。

氷は大きく裂けて、いくつかの氷の槍へと姿を変えると、アラジンに狙いを定めて降り急激に注いだ！

危ないと、誰もが声を上げそうになった時、真っ先に動いたのは、側にいる巨人のウーゴだった。

アラジンを守るように、彼の前に覆い被さった青いジンの背中に、いくつもの氷塊が深々と突き刺さった！