第15章 暗夜の再会
「ちょっと! 離れてってば!! 」
「冷てぇなー。一年ぶりだろ? おまえがいなくて、俺もけっこう寂しかったんだぜー? 」
どうにか体を引き離そうと、腕に力を入れるのに、ジュダルはそれを、なかなか許そうとはしなかった。
こっちが必死で突き放そうと、もがく姿を見て、可笑しそうに、ニヤニヤとした笑みを浮かべている。
こういうところは、昔と全く変わっていない。
変わったところといえば、一年前よりも心なしか背が高くなったように感じるところだろうか。
そのせいで、上から余計に見下されているように感じて腹が立った。
「いいかげん、離して! 」
ハイリアが手にマゴイを集めて腕に力を込めたとたん、ジュダルは、ひょいと身をかわして手を離した。
「相変わらず、おっかねぇーな! 」
睨みつけるハイリアをみて、ジュダルは嬉しそうに笑っていた。
「あー、そうだ。お前の腕輪、俺が見つけといてやったからな! 」
「え……? 」
ジュダルが言い放ったことが信じられなくて、ハイリアは愕然とした。
金属器を埋めるまでは、本当に苦労したのだ。
ジュダルが出かけている隙に、余裕もないまま国を抜け出して、逃げ出して。
できる限り遠くの土地まで移動してから、その中でも、見つかりにくいような森林の中に埋めてきた。
それなのに、あんなに苦労して隠した金属器を、彼は簡単に見つけてしまったということなのだろうか。
「あとでちゃーんと、取りにこいよ! しっかし、一年もふらふらと何やってたんだよ? これでも心配はしてたんだぜー? 」
動揺するハイリアの肩に腕を回しながら、ジュダルがにやりと笑みを浮かべた。
困惑している自分の表情を、楽しんでいるようだった。