第15章 暗夜の再会
「ねぇ、モルジアナ……、昼間はごめんね。なんか、私、取り乱しちゃって……」
「……いえ、私の方こそ、気づけなくてすみませんでした」
モルジアナはそう言って、すぐにこちらへ頭を下げたから戸惑った。
「あ、あやまるのは、私の方よ! ずっと、みんなに何も言わなかったのは、私だもの……。本当に、ごめん……」
この国へ来る目的しか、モルジアナにも、アラジンにも打ち明けられていない。
ずっと影を恐れて、何もかも隠してきた。
すべて自分の弱さが原因だ。
「ねぇ、モルジアナ……、聞いてくれる? 少し長くなってしまうけれど、私が本当に、この国までやってきた理由を……」
勇気を出して、ハイリアは言った。
緊張してせいか、声がこわばっていた。
「もちろんです、聞かせてください! 大丈夫ですよ、夜は長いですから」
にっこりと笑ったモルジアナをみて、ハイリアは嬉しくなった。
大丈夫だ。彼女なら聞いてくれる。
モルジアナに話したら、アラジンや、シンにも相談してみよう。
きっと思っているよりもずっと、前に進んでいける気がする。
「おい、あれなんだ? 」
妙にざわつく空気を感じて、辺りを見るとスラムの人たちが、上を見上げていた。
廃灯台の天井は、一部が崩れて大穴が空いている。皆、そこを指さしていた。
「なんでしょう、あれ? 人!? 」
黒い影が迫るのが見え、モルジアナが声を上げた。
徐々に空から近づいてくる、真っ黒な人影を見て、ハイリアは青ざめた。