第15章 暗夜の再会
話してしまおうかと思う反面、話すことで彼らを巻き込んでしまうことに罪悪感があった。
迷って、まだ打ち明けられずにいる。
アイツに見つかってしまった今、話すとしたら、きっと今夜しか時間はないだろう。
シンとアリババ達の話が終わったら、思い切ってみんなに今までのことを話し、相談してみた方がいいはずだ。
そうすれば、もしかしたら、ずっと悩んでいたことに一筋くらい光が差すかもしれないのだから。
立ち向かうって、決めたじゃないか。
アイツと向かい合うためにも、答えを見つけなきゃいけない。
密かに、ハイリアは決心を固めながら、アジトの集会場へと足を速めた。
霧の団のアジトは、廃灯台の中にある。
その一階の中央には、崩れた外壁の瓦礫でできた、自然の壇上があり、人が集まれる広場になっていたため、そこが盗賊団の集会場となっていた。
すでに壇上で待っていたシンドバッドの隣に、アリババが立つと、広場の視線は、彼らが立つ中央の壇上へと注がれた。
壇上に登ったアリババを見守るように、その側にハイリアたちも立った。
「結論から言おう。本日の会談にて、交渉は決裂した」
シンが言った途端、広場に落胆の声が上がった。
誰もが、もうお終りだと嘆くなか、その様子を見てシンは張り上げた。
「何がお終いなんだ? そもそも、君たちの戦いの終わりはなんだ? 貧しさから抜け出すことか? 守るべき家族を養うことか? そんな崇高な目的を持たない者もいたかもしれない」
広場に響いたシンの言葉に、うつむいていた人達がちらほらと顔を上げ始めた。
「だが、各々の目的のために、盗賊まがいのやり方しかなかった君たちが、今日初めて、国王に正面から話を持ちかけたんだ。
お前達は、自分たちを虐げるものと、今日、やっと初めて正々堂々と戦ったんだろう!! 」
シンの強い言葉を、いつの間にか、皆が顔を上げて聞いていた。