ごめんね、素直じゃなくて【アイナナ】R18*完結*
第2章 TRIGGERの楽と天
「あー……緊張する……手汗ヤバいよ……」
「美樹ちゃんが緊張してどうするんだよ!
リラックス、リラックス。ライブは楽しまないとね!!」
「ですよね?!モモ先輩」
「そうそう」
ライブ会場に着いてから美樹の緊張が半端なくて、私にまで緊張が移ってきそう。
それにしても……良い席だよね。
会場のほぼ真ん中。
ステージ全体を見る事が出来る。
これなら彼らのパフォーマンスもよく見れる。
「シクナイだ!!!! シクナイだよっ!!」
曲のイントロが流れ始めると美樹のテンションが上がりはじめて、私の手を握りしめてきた。
ぎゅっと力を込めてくるから……痛いって
「はいはい、ちゃんと観てね」
「もちろん!!」
頬を紅潮させてステージにいるTRIGGERを見つめている美樹。
一緒に歌を口ずさみ、足でリズムをとっている姿が、なんともいえないくらいに可愛い。
美樹の隣りにいるモモ先輩も美樹と同じようにしている。
ただ純粋にライブを楽しんでいるわけじゃないのが分かった。2人とも瞳は真剣にステージを観ているもの。
「ヒュー!TRIGGER格好いいな!」
「うん!! TRIGGER最高!! 天格好いい!!」
夢中でパフォーマンスを観ている美樹。
周りの子たちもTRIGGERのパフォーマンスに見惚れている。
……確かに格好いいよ。
中身はどうであれ彼らはアイドルとして最高だと思うけど、私的には複雑かな?