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ごめんね、素直じゃなくて【アイナナ】R18*完結*

第6章 好きだからキライ


「はい、閉じたよ」

「手、だせ」

「はい」


え?
手のひらに何か乗せられた。

そのまま手を握らされて、蓋をするかのように楽の手が重なった。


「なに?」

「あの時、言えなかった事を言うから__
ちゃんと聞けよ」

「う、うん……」

「俺を信じて待ってろ」

「え?」

「これは約束のしるしだ」


ゆっくりと手を広げると指輪。

びっくりして動けない私の左手の薬指に指輪がはめられていく。


「これ……って」

「つまり、そういう事だ。わかったろ?」

「え……あの……」


どうしよう?
あまりにも突然過ぎて頭がついていかないし


「ゆめ?」

「なんでそうなるんだよ」

「え……だって……え?」

「ったく……おまえは……」

「っ……」


掠めとるように唇が触れていく。

上手く頭がまわらない。言葉もでない。
ただ涙だけが溢れてくる。


「なんで泣くんだよ」

「……わかんない……」

「そんなに嬉しいのか?」


嬉しい……っていうかびっくりというか。
まだ、混乱してるけど……


「楽……私の事好き……?」

「ああ」

「あの時からずっと?」

「ああ」

「今も?」

「そうだ。おまえもだろ?」

「……きらい」

「はあ?」

「……きらいになろうとしたの。でも、出来なかった」

「当然だな。こんないい男そうそういないからな」

「ぷっ……自分で言う?」

「本当の事だろ。つか。
やっと笑ったな」


安心したように笑う楽を見ているだけで心がふわふわする。


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