ごめんね、素直じゃなくて【アイナナ】R18*完結*
第6章 好きだからキライ
「嘘つくならもっとましな嘘ついてよね」
「ウソじゃねぇよ」
「はあ?なにそれっ」
「、俺の目をちゃんと見ろ」
「なんでよ」
「おまえさっきからずっと俺の目を見て喋ってないだろ?」
そりゃあ……そうですよ。
顔なんかまとまになんか見れないよ。ましてや、目なんて見て喋れない。
楽の顔を見たら……何も言えなくなるもん。
怖くて見れない。
「こっちむけ」
「っ……痛い」
両頬を手で挟まれて無理矢理顔を上げさせられてしまった。
「ぁ……」
楽は怒っているような困っているような複雑な顔をしているけど真っ直ぐと私を見つめている。
「あれはお袋だ。この顔がウソを言っている顔か?」
嘘を言っている顔じゃない。それに楽は嘘なんかつかないのは私が1番知っている。
楽はいつでも正直だもん。
でも……
「綺麗な人だった」
「俺のお袋だからな」
「若かったよ」
「若作りが激しいからな」
「なんでジュエリーショップに?」
「あ……それはだな……」
ん?
なんで急に口ごもるの?
「それは?何?」
「……つまりだな」
「うん」
「……察しろ」
「はい?」
何を察すればいいのよ?
わかんないに決まってるじゃないのよ。
「わかったか?」
「わかんない」
「んあー!クソッ!!」
ガシガシっと髪を掻く楽はちょっと耳が紅いんだけど……なんで?
「瞳……閉じろ」
「なんで?」
「いーから!」
見ろって言ったり、閉じろって言ったりと忙しい男だな。