第1章 真田幸村 両ルート恋度MAX特典「相変わらずの二人」
「やっ、 ちょっと・・・!触らないで!!」
男の手から逃れようと、拘束された身体を無理やり動かす。
手を、足を縛る縄が柔らかな肌を擦り、赤く色を変えていく。
男「罪に罪を重ねる、か。・・・俺たちは今までいくつ罪を犯したかわからねえ」
男の大きな手がなおの二の腕を掴み、力強く引き寄せると、自由の利かないその身体が床を滑る。
男「いつまでも上手くいくとは思ってねえよ。いずれは捕まるかもな。でも、俺たちは最後まで足掻く」
懐から薄汚れた布を取り出すと、なおの口に無理やり詰め込んだ。
「んっ! んーーーー!!!」
男「クソみたいな人生だろ? だが、たまにはこんな風に、良い思いも出来るんだぜ」
着物の合わせに手をかけると、乱暴に開く。
「ッ!!! んんー!」
(やだ、やだやだ 幸村ッ!!!)
なおの美しい首筋に男の顔が近づき、荒い息と共に舌が伸ばされ・・・
幸村「なおっ!!!」
力任せに蹴られた扉は脆く、派手な音を立てて床に吹き飛んだ。
男「・・・真田・・・っ!」
男が慌てて体勢を整えようとするが、それを許す間もなく幸村が踏み込む。
幸村「お前・・・」
男の背後に捉えたなおの姿。
襟元と裾を大きく肌蹴させ、横たわる身体。
幸村「なおに何した」
刀を手に、だがそれを構えることもなくフラリと近づいて来る幸村に、男は思わず怯み後ずさる。
幸村「何したって聞いてんだろ!」
佐助「やめろ幸村! 生きたまま捕えるんだ」
男に向かって刀が振り下ろされる、その瞬間、
「んんんっ!」
こちらを向いたなおと目が合った。
涙を浮かべ、顔を赤くしたなおの・・・
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店主「なお様なら、暫く前にいらっしゃいましたよ」
にこやかに答える茶屋の店主。
店主「幸村様のための茶菓子だそうで・・・本当に仲がよろしいですね。お二人のそういう姿に、私たちは皆元気づけられているんですよ」
俺だってそうだ。
なおの笑顔は、どんな時だって俺をあったかく包んで、幸せな気持ちにしてくれる。
あいつの笑顔の為なら、俺は何だって・・・