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【イケメン戦国】sequels<R18>

第3章 上杉謙信 謙信誕生祭~抑えきれない感情~


『謙信様のことなんて、知らなければよかった』




雨の中そう言い放ち、走り出そうとするなおの腕を掴み、壁へと囲い込んだ。


行くな・・・

お前は、俺のそばにいろ・・・


白く細い首筋に唇を這わせ、歯を立て、舌でなぞった。

触れた肌が冷たいのは表面だけで、なおの身体は温かく、唇に脈が触れる。


その温もりにすがり付くように、なおの首筋を貪り、痕を残した。






翌朝、安土の城下を散策する。

気が付けば、昨夜なおを送った大通りまで来ていた。

無意識のうちになおを探している自分がいる。



謙信「尋ねたいのだが」


目に留まった、道端で立ち話をする商人らしき男たちに話しかけ、


謙信「この辺りで、なおという女が住み込みで働いている屋敷を知らないか」


男「お兄さん、見かけない顔だね」


訝しげに俺を見る男に、


謙信「昨晩なおに世話になってな。礼をしたいのだが、この辺りだと言う事しか聞かなかった」


警戒を解こうと、なるべく柔らかな声で話した。自分でも鳥肌が立ちそうだ。


男「この辺りでなお様を知らない人はいないよ」


謙信(なお・・・様?)



聞けばなおは安土城に世話役として住まう、織田家所縁の姫だと。



道理で・・・



俺に踏み込んでくるようで、どこか壁を作る様なあの態度。





なおのことだ、きっと安土の面々に可愛がられているだろう。


思わず手に入れたくなるような、その温かさ。

そばにいれば、いずれ愛しさに変わると容易に想像がつく。



何故なら、俺自身がそうなのだから。



『私は、ここにいます』


俺のそばにいると言った、なおの目。



その目で見つめるのは俺だけであって欲しいと、嫉みに拍車がかかる。



戦以外に興味が湧くこと。

そんなもの、無いに決まっている。



なお以外には。


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