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【イケメン戦国】sequels<R18>

第3章 上杉謙信 謙信誕生祭~抑えきれない感情~


「私は・・・安土城で世話役として暮らしています」


消え入りそうな声でなおが話し始める。

杯を傾けながら、謙信は静かに聞いていた。


それまでの経緯を伝え終わると、なおは深くため息をつく。



謙信「今までお前はそれを黙っていた。その理由は?」



なおの胸がドクンと音を立てる。


何か答えようと口を開けば、なぜか言葉ではなく涙が零れた。



今更ながら自覚する。

それだけ謙信に惹かれていたのだと。




「もう、会えなくなってしまうと・・・」


それだけ言うのが精いっぱいで、それ以上涙が零れないようにきつく唇を噛んだ。




謙信「お前は俺に、戦以外の喜びを見つけると言っていたが、もう必要ない」


見つめ合ったまま、沈黙。




『何とも思っていない。
この女のことなど、どうでもいい』

『お前と俺の関係は所詮、赤の他人』

『余計な詮索はするな』




頭に浮かぶ謙信の言葉。

思わず俯くと、握りしめていた拳の上に滴が落ちる。





謙信「なお」


歪む視界の中、謙信の手が伸ばされるのが見えた。


その指が、なおの首筋に触れる。


「っ!」


下を向いたまま肩を竦めると、謙信の指がそっとなおの髪を退ける。



謙信「・・・消えそうだ」

「え・・・」

謙信「昨日お前に残した痕が」

「っ!?」


顔を上げると、思いの外近くにある謙信の顔。




謙信「信玄から何か聞かされたようだが、俺の過去が気になるか」


気にならないと言えば嘘になる。

冷たい表情、その瞳。その理由は・・・




謙信「俺は気にしない」


ゆっくりと謙信の唇が迫る。


謙信「お前の過去より、これから先が重要だ」

「・・・っ」


透き通った、感情の読めない謙信の瞳から目を逸らすことが出来ず、ただ息を詰めた。



なおの首筋に、唇が触れる。

食むように優しく、そしてやんわりと歯を立てる。


「んっ!」



舌を一筋這わせてから、なおの顔を覗き込み、



謙信「俺の喜びは、お前に決めた」

「・・・っ」



謙信「俺のそばにいると言っただろう」

その眼差しからは想像もできない程、温かな唇が触れる。






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