第2章 武田信玄 本編応援キャンペーン「彼の心を狙いうち」
「あの、本当にいいんでしょうか・・・」
信玄「ここまで来て、まだそれを言うのか」
小さく信玄が吹き出した。
不安気な表情で上を見上げるなおの肩をそっと抱き、先へ促す。
信玄「おいで、大丈夫だから」
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幸村「よー、なお、元気か」
佐助「久しぶり、なおさん」
「こんにちは、あの、お邪魔します」
謙信「・・・ ・・・」
遊びにおいでと誘われた、春日山城。
佐助や幸村はともかく、謙信が何というか、それが不安だった。
自分は敵側の人間なのだから・・・
「あの・・・っ」
謙信「構わん。お前は信玄の客だ、俺には関係ない」
「あ、はい・・・」
冷たく冴え渡る表情に怯み、思わず身構える。
信玄「大事な客だ。手を出すなよ」
謙信「出す気にもならん」
そう言って、謙信は行ってしまった。
佐助「大丈夫だ、なおさん」
ポンと肩を叩かれ、そちらに向き直る。
佐助「謙信様は、君の事は敵だなんて思ってない」
幸村「そうだぞ、お前みたいに能天気な女、気にも留めてねーよ」
「能天・・・」
頬を膨らませて幸村を睨む。
幸村「そうそう、お前はそっちの方がまだいいよ。いつまでもびびって泣き出しそうな顔してんじゃねぇ」
ニヤリと笑って、幸村がなおの顔を覗き込んだ。
佐助「さて、早速お茶にしようか。なおさん、案内する」
幸村「うまい菓子用意しておいた。信玄様も、今日は特別に・・・」
そう言いながら幸村が信玄を見ると、
幸村「お・・・っ」
佐助「・・・」
信玄がなおの手を取り、引き寄せる。
「わっ!!」
信玄の胸にぶつかる様に体勢を崩した。
信玄「後で行く。先に始めててくれ」
なおの腰に腕を回し抱き寄せると、そのまま立ち去ってしまった。
幸村「あの殺気!一瞬で汗かいたー」
佐助「ああ。危うくまきびしを投げつけるところだった」
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