第6章 青峰大輝【R18】
ガタッ──
奥で勉強していたうちの1人が
席を立ち、コチラに向かってくる。
ダメ、来ないで……。
「すみません、この本てありますか?」
提示してきたスマホの画面を見ると
見覚えのある参考書の表紙が映っていた。
「これならっ……、あると、思います……」
人が居るとわかっているはずの青峰くんの舌が
私の割れ目をなぞる。
そのせいで声が裏返ってしまった。
「探したんだけど見当たらなくて……」
「ちょっ、と……待ってください……」
貸出リストを確認し
参考書があるのを確認してから席を立つ。
参考書コーナーを一通り見てみるが
探している本が見当らない。
「ちょっと探して来ますね」
そう言って、カウンターの奥にある
書庫へと向かった。