第5章 紫原 敦
アイツと室ちんが楽しそうに話してる。
室ちん、アイツの事知らないのかな……。
俺は少し離れて、まいう棒を食べながらそう思った。
「敦って、いっつもお菓子食べてるのに全然太らないよね~?」
「……」
「千穂さんは運動とかしてないのに、スタイルいいよね?」
「帰国子女は女を口説くのが自然だねぇ♪」
「べっ、別にそう言うつもりで僕は言ったんじゃ!?」
室ちんはアイツのペースに流されてて……ムカつく。
「室ちん、ワックでご飯食べよ」
「じゃあ、私はこのまま帰るね!」
「千穂さんも一緒に来れば?」
「私は大丈夫! うち帰ったらすぐご飯なんだ」
「そうか、じゃあまた」
「じゃあね~♪」
アイツは点滅する信号を走って渡っていった。