第5章 紫原 敦
「ねぇ、敦。私って、やっぱウザ「ウザいよ」」
彼女が言い終わるより先に言ってやる。
「またフラれちゃったんだ~」
「聞いてないし」
「まぁ別に、本気じゃないし、向こうも……って、聞いてる?」
「聞いてない」
聞いてもいない別れ話をべラベラと……、ホントウザい奴。
「ま、私結構モテるし♪ 敦も遊びたかったらいつでも言ってね~♪」
彼女は何事もなかったかのように、校舎へ戻っていった。
「ホント、何考えてるかわかんないし……ウザい……」
底に残ったポテチを口の中に流し込み、予鈴と共に校舎へ向かった。