第3章 日向順平
中庭まで千穂を連れ出した。
「なぁ、伊月から聞いたんだけど……」
「なんで、日向君……?」
「ん?」
「もう、私の顔も見たくないって……」
「はぁ?」
昨日の告白をどう聞いたらそんな風になるのか……。
話をよくよく聞いてみると、千穂の中では俺がフッたことになっていた。
「あーもー!! 今度は忘れるな! ちゃんと聞け!!」
「うん……」
「俺はお前が、千穂が好きだ! 俺をもっと頼ってほしい! あわよくば名前で呼んで欲しい……が、それは任せる! 答えは急がないし、千穂のタイミングで教えてくれれば構わない」
俺は捲し立てるように告げた。
これが告白なのか?とも思ったが、俺の中の精いっぱいの告白なのだ。
「日向君」
「おう……」
「私も、「おぅ! 日向! 千穂ちゃん♪ 何してんの~?」
空気の読めないコガと、その後ろでアタフタしている水戸部がやってきた。
「コ~~~ガァ~~~!!」
「え? なに? 俺、また地雷踏んだ!?」