第3章 日向順平
――翌日――
「おい! 日向!! お前昨日なにしたんだよ!?」
「はぁ? いきなりなんだよ!?」
朝練前、更衣室で伊月がいきなり両肩を掴んできた。
「昨日、千穂がお嫁に行けない~って大泣きしてたぞ!?」
「はぁ!? 俺は別に、アイツに俺の気持ち伝えて忘れてくれて構わないからって」
「それだ!」
「は?」
「忘れてくれて構わないって、別れの言葉だと思ったんじゃないのか?」
「ちょ、待て、意味がわからねぇ」
「日向、千穂の考えてることだ。普通の思考で考えてたら絶対わからねぇぞ!?」
「お、おぅ……」
―――――
昼休み、俺は千穂のクラスへ向かった。
いつもはクラスの女子数名と楽しそうに話しているのだが、今日は自分の席に突っ伏している。
俺が側に行っても全く気付かない。
「おい、生きてるか?」
「ふぇっ!? な、なんで日向君……?」
「ちょっと来い!」
俺は千穂を連れ出した。