第3章 日向順平
その後、千穂の説教は家の前まで続いた。
しかし、説教は最初の数分間で途中から脱線に脱線を重ね気付くとカレーの肉は何がいいかになっていた。
「ほれ、もう家だぞ?」
「え? あれ? いつの間に!? うちってこんなに近かったっけ?」
「千穂が話に夢中になってるからだよ」
「う~ん、私はきっといつの間にかワープホールを通って……」
「はいはい、わかったよ」
ブツブツと自分の世界に入り込んでいく千穂を連れ戻し別れのあいさつをしようとしたところで思わぬ攻撃を受けた。
「日向君の気持ちってなに?」
「はい??」
「さっき、伊月は俺の気持ち知ってるのに~って」
「あ、いや……」
千穂は所々ぶっ飛んでるくせに、変なとこは鼻が利くと言うか……俺は改めて覚悟を決めた。