第3章 日向順平
案内板を見て現在位置を確認し、出口を見つけ無事に館内からの脱出に成功した俺たちは駅に向かって歩いていた。
「たくっ、これからはわからないことがあったらすぐ聞け! 知らねぇ奴について行くな! 声かけるな!」
「困ってる人がいたら?」
「それも俺に聞け! 俺が判断する!」
「うぅ~、日向君怖いよ~」
「あぁ!? 心配かけるお前が悪い! お前は何にでも首ツッコんで厄介ごと呼び込んで、いつかほんとに事件とかに巻き込まれたりとか、命落としたりとか……ホント、心配なんだよ……」
「日向君……」
俺はスイッチが入ったように千穂を怒鳴り散らした。
こんな事はよくないと頭では理解しながらも、次から次へと言葉が出てきてしまう。