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【黒バス】短編集-R18-

第3章 日向順平




 アジアン雑貨を取り扱う店内には、お香の独特な香りが漂っていた。
 客も疎らでレジに立つドレットヘアの店員は携帯をいじっている。


「あー、あった♪ これが欲しかったんだ~♪」
「ん? ……これ……?」


 千穂が嬉しそうに手に持つそれは、不気味なお面を持って、不気味な笑みのおっさんが仁王立ちしている人形だった。


「お前……こんなんどこで見つけるんだよ?」
「え? ネットで見たんだ~、えっとね~……あ、これこれ!」


 そう言って千穂が見せたサイトには「幸せを呼ぶ幸運の守り神 サチオさん」と書かれていた。
 サイズの割にリーズナブルな価格だが……これが本当に幸運の守り神なのかは信じがたい。


「日向君も買う? 女の子も居るんだよ♪」

 千穂はサチオさんの隣に居るおばさんの人形を渡してきた。

「こっちはサチコさん?」
「え! 日向君てエスパー? なんでわかったの!??」
「いや、うん……まぁ、多分だいたいわかると思うよ?」
「え~、私わからなかったよ~? なんでなんで~??」

 千穂が何度も尋ねてくるので俺は適当にあしらい、結局二人でサチオさんとサチコさんを買う事になった。

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