第3章 日向順平
俺たちは新作のバッシュを見たり、練習着を見たりに夢中になり千穂が居なくなったことにしばらく気付かなかった。
「おい! 日向! まずいぞ! 千穂がいねぇ!!」
「はぁ!? おまっ、なんでいなくなんだよ!?」
俺たちはショップ内を手分けして探したが、千穂はどこにもいなかった。
携帯に連絡をしてみるが、いっこうに出る気配がない。
「まずいぞ……これは、やばい……」
「誘拐か!? 拉致!?」
「あんた達何してんの?」
俺たちがアタフタしていると、背後からリコの呆れた声。
「リコ、それが!! 千穂が誘拐されて!?」
「おいおい日向、それは盛り過ぎ」
「千穂ちゃんならさっきおじいさんと一緒に向こうの方に……って、ちょっと!?」