第2章 火神大我【R18】
「今日は黒子として過ごすんだぞ? いつもの調子で喋るんじゃねーぞ?」
「わ、わかりましたよぉ……テツ君ぽく…………無理かも……いでっ」
火神さんに殴られた頭をこすりながらメイド服を着て大股で歩く火神さんの後に続く。
「あのぉ……火神さん? もう少し足閉じて歩かないと……」
「うっせ! わかってるよ!!」
「いでっ! そんなに殴ったら馬鹿になっちゃいますよ~」
「黒子ならそんなんヒョイヒョイ避けんだよ!」
「うぅ~~」
そんなやり取りをしていると前から見慣れた一団がやってくる。
「おぅ! 火神! 黒子! よく似合ってんじゃねぇか♪」
「ちっ、ちーっす……」
「ど、どうも……」
二年の先輩たちが段ボールを持ってやってきた。
「お前たちのクラスはメイドカフェだっけ?」
「あとで遊びに行くからまけろよ?」
まだ私が入れ替わっていることには気づいていない様子。
「なんだ黒子? お前の胸、ずいぶん盛ってんなぁ?」
「ひゃっ!?」
「うわっ、めっちゃリアル!!」
「せ、せんぱっ……んっ……」
「これ何入れて……って、火神……? 何? え? えぇ????」
小金井先輩がいつものノリで私の胸を後ろから鷲掴みにしたので、私の口からは変な声が漏れる。
眉間に皺をよせた火神さんは私の腕を掴みその場を離れた。