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【刀剣乱舞】檜扇の伝記

第4章 極


刀剣男士の極(きわめ)について。

そんな見出しで始まった書類には、私の知らない情報が載っていた。
極(きわめ)。発見した誰かはきっと今頃大手を振って政府にいるのだろう。
昔は、私もそこにいた。
(時代は移り変わっていくんだね)
当たり前だが、寂しく思ってしまう。
私は、複雑な思いのまま立ち上がった。

「例の贈物を取りに行くよ。何かあったら、倉まで来てくれ」
私はとある一室に顔を覗き入れ、そこで寛いでいた刀剣達にそう言った。
すると、大人しく頷いた面々の中でとある一人が立ち上がった。
「主、ならば俺がお供します」
「長谷部。嬉しいけれど、いいのかい?」
私が聞くと、彼は直ぐに頷いた。
「勿論です。」
「そう。なら、共に行こうか」
私は室内の面々に手を振って、屋敷を出た。

「長谷部くん、嬉しそうだったね」
燭台切が呟いた。
「そりゃあ、主と一緒に居られるんだからな。奴でなくとも喜ぶだろうさ」
鶴丸は頬杖をつきながら苦笑いする。
「俺は別に喜ばない。」
隅で座っていた彼の発言に鶴丸だけでなく、燭台切も苦笑いする。
「まーた、君は!そんなこと言って。知ってるんだからな!君が主の洗濯を手伝っていたこと!!」
わしゃわしゃと大倶利伽羅の頭を撫で回しながら、鶴丸は大声で言う。
大倶利伽羅はばらされたことに照れたのか、それとも怒っているのか顔を赤くして立ち上がる。
「違う!あれは、檜扇が物干し竿に届いていなかったから………」
「あれ、やっぱり倶利ちゃんも主のこと名前で呼んでる勢なんだ。」
「おやおやぁ?この間は主の名前すら興味ないとか言ってたのになぁ?」
「~~~~~~!!うるせぇ!」
大倶利伽羅は結局反抗期の子供のように叫ぶと、部屋を出ていってしまった。
「おおっと。からかいすぎたかな。」
「もー、鶴さんったら。……………でも、倶利ちゃんも呼んでるのかぁ。僕も呼んでみようかな」
「おっ、いいんじゃないか?主も喜ぶだろう。」
「うん。………あー、でも、照れるなぁ。」
「君も面白い奴だな。光忠」

「主。贈物を取りに行くとのことですが、何故今取りにいくのです?」
「そうだね。………ついてきてくれた長谷部には特別に教えようか。」
「特別………!」
「そう、特別。まぁ、君達は皆私の特別だけどね。………話がそれたね、実は極(きわみ)、というのが発見されたんだ。」
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