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【刀剣乱舞】檜扇の伝記

第1章 疑問と、それに向き合う覚悟を持って


審神者とは酷いものだ。
男も酷いが、女はもっと酷い。というより、どうしようもない。
もちろん、いい人は沢山いる。
だが、悪いやつも沢山いる。
甘いものが好きな女がいたとしよう。そいつは目の前に菓子の山を持ってこられ、最初困惑する。だが、そのあとに「好きなだけ食べてください」と言われれば、止まるところを知らずに食べ尽くすだろう。
審神者の女は、現状その状態だ。
特に若い女に出やすい傾向だが、女はどれだけ男を嫌悪していたとしても、何処かで相手に好感を持たずにはいられない。男だから、という理由だけでの好感を。
ならばいっそ好きだと認めればいいのに。
カマトトぶった女は最悪だ。
カマトトとは、まぁ簡単に言えば"知っているのに知らないふりをすること"だ。
カマトトぶった果てに、男に溺れ、あまつさえ他の全てを投げ出して何処か人の手が届かない場所まで逃げてしまう。
神隠し、なんて業界では言われているがそんな良いもんじゃない。
愛を否定する訳じゃない。
愛は素晴らしい。だが、その愛が誰かと永遠に居ることだと思っているのは頂けない。
愛とは自由だ。自由だが、不自由だ。
家族愛、友情愛、恋愛、愛。名前は沢山あるが、愛とは無限にある。
私は、それが不思議だ。
愛は無限にあると、言っては見たが。ならば、審神者に必要な愛は何なのだろう。
審神者とは、何なのだろう。

審神者になれ、とやけに偉そうに言われて私は思わず顔をしかめた。
政府という場所で、既に五十年という時間を過ごした私は、彼等の研究対象の一人であり、現状死なない不老不死の第一人者だ。
生物学において不老不死とは、転じて不老の人間を指す言葉であるが私は、本当に不老の不死だ。
からくりはある。私がこの世界の時間軸から外れた存在だからだ。
時間軸から外れた理由は、歴史修正が関係していると推測されている。
だから、この鬱陶しいだけの政府で五十年も働いてきた。彼等が歴史修正主義者を葬る術を見つける手伝いをするために。
そして、約十年前。それは発見された。
付喪神という存在に力を借りる事で、歴史修正主義者を殺すことに成功したのだ。
その付喪神は刀の付喪神であった。
三日月宗近、その昔宝として大切にされた刀だ。
私達はその時の成功を元に、付喪神の力を制御する基礎を作り、更に審神者という存在をつくりだした。
そうだ、審神者を作ったのは私達なのだ。
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