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【刀剣乱舞】檜扇の伝記

第3章 演練


和泉守が言うと、真っ先に反応したのは蜻蛉切。彼は、我が本丸の初槍だ。
「和泉守殿。賭け事など、主が許しはしな………」
「許す。」
「主!?」
「許すから、君も自由に考えを巡らせて話なさい。戦闘でも、その経験は役に立ちますよ。」
私がにこやかに言えば、真面目な蜻蛉切は少し考えているようだった。
「………主がそうおっしゃるのなら。私は、御息女に三千円を」
どうでもいい話ではあるが、蜻蛉切までもが私の若い頃の通過単位を使っていると少しだけ、現代慣れを感じてしまう。
(まぁ、あれもまた昔の単位なのだけれど)
懐かしいことだ。
「じゃあ、ぼくもあのおんなのひとによんせんえんで!」
「ぼ、僕も。四千円」
短刀二人から………というより、本当にお金をとるつもりはない。これはただの、空想賭けだ。
蜻蛉切の様に真面目な刀剣は参加しないが、内の本丸ではよくやる。クイズ番組や、実験番組等で自分の覚悟を表すため、私が初めたのが切っ掛けだ。
「なら、俺は男に五千円かけよう。」
水筒のお茶を飲んでいた鶯丸が言った。
「じゃあ、国広。貴方は?」
最後に山姥切に尋ねて、賭けははじまった。

「それにしても、中々彼の方は不人気だね」
私は、意外な結末に腕を組んだ。
四人が娘の方にいれるとは。
不人気の理由は今剣と五虎退が教えてくれた。
「だって、あのおとこはあるじさまにどなったんですよ!どなるおとこと、ぼうりょくをふるおとこと、よいがひどいおとこはしんようするな、って燭台切がいってました!」
「ぼ、僕あの人恐いです。」
「そう。……………ところで、今剣。もしかしてその説明は例の遊びでも使っているのかな」
「『昼ドラセレクション~愛は憎しみの夢~』シリーズですね!」
「漢字を使ってまで言うんじゃない。先月一期が卒倒したばかりだろう。」
ヒロイン(乱)がセレブ御曹司(厚)と、その腹違いの兄(薬研)との三角関係に悩んだ末、新たに現れた病弱にして無口な彼(小夜)に惹かれていき最終的に彼と兄弟同士であることを知って倒れた彼を追い「地獄で結ばれましょう」と言い薬を飲んで自殺を図るシーンにて一期が卒倒したのは、苦い思い出だ。
「毎度毎度、その設定は何処から出てくんだ………」
和泉守の突っ込みは正論であるが、主である私が楽しんでいる節があるので止めさせるのは困難だろう。
雑談に勤しんでいる間に、演練が開始された。
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