第1章 少女を変えたもの
彼女はわたしを背に庇い、巨人と向き合う。
地面かと思っていた場所は、屋根の上だった。
「あなた、大丈夫?」
『わたしなんかより、お母さんがあの瓦礫の下に!』
「あなたはここでじっとしていて」
女性兵士は立体起動装置であっという間にお母さんが下敷きになっている瓦礫の山へと着いた。
そして、それに巨人がついていった。
今思えば、彼女はわたしに危険が及ばないようにわざとやつの目の前を通ったのだろう。
でも、それでは彼女が危険すぎる。
巨人に食われてしまう。
その予想が当たってしまった。
『危ないっ!逃げてっ!』
わたしが声をあげたときにはもう遅かった。
やつは彼女を手で握りつぶした。
そして口へと放り込んだ。
『うそ······。いや······やめて······』
そしてそのまま瓦礫の山へと手を伸ばした。
そこには·····お母さんが······。