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それが宿命〈さだめ〉なら【進撃の巨人】

第3章 ノエルという少女


わたしが連れていかれたのは、団長室。

『失礼します』

中には既に人がいるようで、入れ、という声が聞こえてきた。

「リヴァイ、ここはおれの部屋だぞ?」

中にいたのは、リヴァイ兵長だった。
我が物のように椅子に座り、団長に遅い、と文句を言う。

『それで、何かご用でしょうか?』

わたしが本題を切り出すと、団長とリヴァイ兵長の表情が少し固くなる。

「ノエル。君には迷惑を掛けた。すまない」

何のことか分からずに、わたしに頭を下げる団長しばらく見つめた。

『あの····何がでしょう?』

「リヴァイが無理を言って、君をリヴァイ班に指名したんだろう?」

ああ、そんなことか、と思った。

『別に迷惑ではありません。むしろ、光栄です。リヴァイ兵士長のために戦って死ねるのなら、本望です』

「お前が戦うのは、おれのためではないだろ?」

『わたしは、巨人への憎しみとリヴァイ兵士長の役に立つということしか考えていません。今わたしが生きているのはそのふたつがあるからです。わたしにはもう生きている理由がないので』

「······そうか。君には期待している」

エルヴィン団長がそう言ってわたしの頭を二度軽く叩いた。

『それでは、失礼します』


わたしは軽く頭を下げて顔を上げた。
その時、リヴァイ兵長と目があった。
なにか、意味深な視線を送ってきた。
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