第3章 ノエルという少女
アニは現在、地下深くに収容されている。
彼女から情報を聞き出すことは不可能だった。
「まさか、アニがあの女型の巨人だったなんて····。未だに信じられないよ。ノエルも大変だったね」
アルミンが突然話しかけてきた。
わたしは、正直彼が苦手だ。
何かを見透かしたかのような目。
そのくせ、普段はびくびくしている。
『·····そうね』
「·····ノエル」
『なに?ミカサ』
ミカサから話しかけてくることは滅多にない。
まあ、わたしも話しかけないが。
「エレンを守ってくれて、ありがとう」
ああ、忘れてた。
確か、ミカサはエレンが大好きだったはず。
『別に。確かに、死に急いでいたからそれを止めるのは疲れたけど』
「おれはそこまで死に急いでねえよ!」
エレンがそう声をあげたのと同時。
エルヴィン団長がわたしたちに近づいてきた。
「ノエル。少し来てくれ」