第2章 壁外調査
『おい、女型!こっちだ!』
こいつの動きは他の巨人にはないくらい速くて、鋭い攻撃をしてくる。
だが、所詮はその程度。
他の巨人に比べたら確かに速いかもしれないが、わたしの敵じゃない。
やつがわたしに手を伸ばしてくる。
『鈍い!!』
わたしはその腕の上を伝って走り、肩に飛び乗る。
そして、刃を肩に突き立てる。
『今からどうしようか?肩を削ぎ落とす?』
わたしは一度やつの方の上から離れて体勢を整えた。
そして、勢いを付けて刃を振り上げる。
『くっ·····!』
ズシャアアッ
『肩、とれちゃったね』
回復までにはまだ時間がある。
『次はどうしようか?』
わたしがやつにそう言うと、やつが削ぎ落とされた腕と反対の方を振り上げる。
攻撃か、と思い構えるが、どうやら違うようだ。
やつは、自分の首の後ろに手を置いた。
まるで、庇うように。
『なっ····!卑怯なことしやがって!』
そこまでして中身を知られたくないのか。
ならば、暴いてやろう。
『どうやら、もう片方の腕も削ぎ落として欲しいみたいだねっ······!』