第2章 壁外調査
女型と戦うためにそこに残った先輩方三名、エルドさん、オルオさん、ペトラさんがやつに殺されてしまった。
エレンが低く唸る。
「·····許さない·····。あいつは絶対におれが····!」
エレンが指を口元に持っていく。
『エレン、何をする気?』
聞かなくても分かっている。
自傷行為、つまり巨人化しようとしている。
『今は駄目。逃げよう』
「おれらが····おれが戦わなかった結果がこれだ。今逃げても犠牲者が増えるだけだ!」
『あなたを守ろうとしてのこと。あなたが無事でいないと彼らの犠牲が無駄になる』
「おれのためだったら尚更おれがあいつを殺さねえと!他に誰がいるんだよ!」
わたしの一番苦手な人種だ。
感情的で、すぐに熱くなる。
まるで、五年前のわたしじゃない。
『·····エレンはここで待機』
「はあ?」
『やつがわたしに気をとられている内に、巨人化してやつに襲いかかって。わたしはあなたを全力でサポートする』
「っ·····!分かった!!」
『それじゃ、いくよ·····!』