第2章 壁外調査
『エレン、少しでも遠くに行こう』
「お前はどうしてそんなに冷静でいられるんだ!人が·····死んでるんだぞ!」
幸いにもここは森の中のため、木に隠れることができる。
そこに身を隠してから、先程のエレンの問いに答えた。
『わたしが信じているのはリヴァイ兵長のみ。彼のために生き、戦う。確かに巨人が憎いし、人が死んでいくのを見るのは辛い。でも、わたしの中ではすべてにおいてリヴァイ兵長が優先。ただそれだけのこと』
エレンが何か言いたそうにこちらを見てくる。
でも、それを無視してわたしは先に進もうとする。
『エレン、行くよ』
「·····ああ」
『先輩方、まだ戦っているのかな』
わたしは木の影からこっそりと後ろの様子を覗いた。
『っ·····!』
「どうしたんだよ?まだ戦ってるのか?」
『······エレンは見ない方がいい』
「はあ?なんだよ、それ」
エレンがわたしを押し退けて覗く。
「な·······ん、だよ、これ······」