第2章 壁外調査
煙が晴れてやつが再び姿を現した。
『生け捕り····!』
今回、我々調査兵団の目的はこれだったのか。
そして、そのことを信頼のおける少数の兵士にしか団長は話さなかった。
内部に情報を漏らしている者がいることを想定して。
このやり方は汚いのかもしれない。
今回のこの調査で何人の犠牲者がでただろうか。
団長に対して不満を持つ者も多いだろう。
だが、わたしは彼が間違っているとは思わない。
この作戦を実行するに当たって、これだけの犠牲者はむしろでて当たり前だと思う。
彼を非情だと思う者は多いだろう。
ならば、わたしも非情なやつだ。
わたしは、彼のような人が一番信用に至る人物だと思う。
そういう人は決して裏切らない。
そう、思うから。
撤退の合図が上がった。
「馬に戻るぞ!撤退の準備だ!」
エルドさんが今は別行動しているリヴァイ兵長に代わって指示を出す。
少し離れたところで煙弾が上がった。
「きっとリヴァイ兵長からの連絡だ。兵長と合流するぞ!」
グンタさんが煙弾を上に打ち上げる。
このあと起こる悲劇を誰が想像しただろうか。