第2章 壁外調査
『皆さん!落ち着いてください!』
「落ち着ける状況か!?」
エレンがわたしに怒鳴り返す。
『なら!感情的になれば、何か変わる!?わたしたちに今出来るのは何!?分からないのなら!リヴァイ兵長に従うしかない!信じるしかない!違う!?』
皆が黙りこむ。
『偉そうに言ってすみません』
わたしは前を向いた。
もう、後ろは振り向かない。
馬の最高速度を維持することに努める。
「お前はいいのかよ!今、また勇敢にも戦った兵士が死んだんだぞ!」
エレンがわたしにまた怒鳴る。
『エレン!前を向いて!』
「また!また、兵士が!」
『エレンっ!!いい加減にして!ひとりでも犠牲者を減らしたいなら馬の最高速度を維持して!あなたがすべきことを考えて!』
「っ····!進みます!」
わたしを非情だの好きに思えばいい。
わたしが信じているのは、リヴァイ兵長ただひとり。
その為だったら何だって出来るんだ、わたしは。
神様なんていないと分かったから。
だって神様はわたしの願いを叶えてくれなかったもの。