第2章 壁外調査
今日はわたしが初めてこの壁の中から外へ出る日。
初めて外の世界を見る日。
やつらが蠢く世界へと向かうんだ。
「おい、ノエル」
『リヴァイ兵士長····!』
「お前はおれと共に行動してもらう」
わたしの担当は、三列三・伝達だ。
一方リヴァイ兵士長は、五列中央・待機だ。
五列中央・待機にはリヴァイ兵士長の他に調査兵団特別作戦班、通称〈リヴァイ班〉がいる。
その中には、わたしたち104期兵の同期、エレン・イェーガーがいる。
彼は自ら巨人になれると聞いたことがある。
おそらく、彼が暴走したときにリヴァイ班が制止にかかる、つまりは殺すために彼はリヴァイ班に入れられたのだろう。
わたしにそのメンバーと共に行動しろ、という意味だろうか。
いや、それ以外に考えられないが。
『団長の許可は取ってあるのですか?』
「······ああ、取ってある」
取ってある、というのはおそらく嘘だろう。
だが、もとよりわたしは彼の役に少しでも立ちたくてここに入ったのだ。
返事にYes以外の選択肢などわたしにはない。
『分かりました』
「ああ、あと」
『はい』
「お前を調査兵団特別作戦班に指名する」