第2章 壁外調査
握り返した手をぐっと引かれた。
突然のことで、体勢が崩れて前屈みになる。
それをリヴァイ兵士長が支えて、囁くように言う。
「お前には期待している」
『え····?』
わたしは自分で言うのも気が引けるが、結構小柄だ。
その上に前屈みになっているのだから、リヴァイ兵士長よりも低い位置にいる。
だから、彼を見上げてじっと見つめてしまった。
「まあ、精々頑張れよ」
そう言い残してリヴァイ兵士長は、団長のもとへと戻っていった。
『リヴァイ兵士長·····』
彼に期待されている以上、わたしはそれに答えなければならない。
壁外調査は明日に迫っている。
絶対にやつらに然るべき復讐をし、彼に報いる。