第2章 壁外調査
わたしが調査兵団を志望した理由は2つ。
1つ目は、やつらを全て排除するため。
2つ目は、かつてわたしを救ってくれたあの兵士との再会のため。
彼と出会った5年前からわたしはそのためだけにここまできた。
彼の背にあったあの自由の翼は一生忘れない。
やっと、調査兵団に入ることが出来た。
名をも知らないあの兵士に憧れた。
彼のためだったらわたしは何でもする。
例え、自分の身が滅びようとも。
「おい、お前」
『っ·····!』
この声、間違いない。
彼だ。
「調査兵団に入ってきたのか」
『はい!』
「そうか。お前、名は?」
『ノエル・ベネットです!』
嬉しい。
覚えててくれた。
「ノエル。おれは、調査兵団兵士長のリヴァイだ」
『兵士長·····だったんですか』
「ああ、まあな」
やっと名が分かった。
やっと会えた。
「これから、よろしく」
彼がわたしの方に手を伸ばしてきた。
わたしはそれをしっかりと握り返した。