第11章 それぞれ還る道
ようやく目を覚ましたのは
もう昼が過ぎてしまった後だった
「昨日はすっごい楽しかったねー!体調はどお?因みに僕は最悪」
気分の悪さを押し込めるような笑顔を作り
二日酔いの薬を口に含む白澤様。
「中華粥できましたよ。全く白澤様は酒を飲むといつもこうだ」
呆れた様子で桃太郎さんが三人分の食器を出す
「でも、すっごい楽しかったです。地獄なのに、天国みたいだった」
タオルで顔を拭きながら私は答えた。
「あー。もうこんな時間か。そろそろアイツが来る」
「鬼灯様はお酒強いんですね」
「鬼はウワバミっていうでしょ?」
中華粥をすすっていた白澤様の手が不意に止まり
認めたくないその言葉を口にする。
「槐ちゃん、今日は・・・君が現世へ帰る日、だね」
鋭く胸が痛む
「白澤様、もし私が寿命で死んだ時には、またここへ来られるんでしょうか?」
「んー。それ、難しい質問。僕は中国の神様だから君の死後についてどうこう口出しは出来ない。ましてや関与なんて出来ない。でも」
でも、内緒でヒントをあげる。
『ヒトは死んだら何処へ行くでしょうか?』
僕のほっぺにくれた、キスのお礼だよ。