第9章 地獄篇 R18
「入ってください」
しばらく歩いて、見覚えのある扉が開かれる。
あの時は大混乱だったから殆ど覚えてないけど、改めて部屋を見回す
意外にごちゃごちゃしていて、生活感がある。
腰掛けるように促され、布団をソファ代わりに腰掛ける
傍にある金魚???のオブジェが異様にリアルで思わず目を引いた
「槐さん」
「は、はいっ!」
声がうわずり、そこから降ってきた意外な質問
「昨日の夜・・・」
「え?」
「昨日の夜、白澤さんに何をされました?」
昨夜の出来事を読まれている・・・
最終的には何も起きなかったし、きっと鬼灯様は嘘を見抜くのがうまいだろう
そう思って、正直に話した。
妖に付けられたキスマークの事、その夜の白澤さんとの事。
その間、内面を覗くような目で見つめられるので、なんだか罪悪感がすごい
「で・・・あの・・・以上です」
もう目を見ていられない
「ほんとうに以上ですか?」
「はい、以上です」
「異常ですね・・・」
「え」
「あの白豚がそこで止めるなんて普通に考えておかしい。どんな毒の抜き方をしたんですか。もしかしたら貴方に惚れたんでしょうかね。」
「ま、まさか~」
「判りませんよ?普段はチャラチャラしていても、本気で好きになったら途端に奥手になるタイプかもしれません」
不意に視界が黒で遮られる。
次に目が捉えたのは、私を押し倒した鬼灯様と、その後ろに見える天井だった。
「でも、私は・・・本気で好きになったら、とにかく責めるタイプですよ」