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【鬼灯の冷徹】ダイアード災厄

第9章 地獄篇  R18


門の先には黒い影。
ヒトの輪郭から伸びた一本角。


間違いなく鬼灯様だ。


すぐに近づく私に気づき、こっちへ向かって来る。


「待ちましたよ」


この人はとても正直だ。


「私をこんなに焦らしてくれるんなんて、貴方くらいでしょうね」


私の指に絡められる大きくしなやかな指。


どきどきして顔を上げられない


「お薬はちゃんと飲んできましたか?」

「は、はいっ」


「副作用は、多少頭が痛くなったり眠くなったりする事があるそうですが、
辛くなったら言ってください」


「あ、あの、どこに行くんですか?」

いまさら何を、と言いたげに小首をかしげる鬼灯様


「決まってるじゃないですか。私の部屋ですよ」


思わず指に力が籠る


「あ、あの、もし誰かにその、、見られたり、、、、」

「心配いりません。ここは地獄です。迷子になった生者を連行しているとでも言えば後はなんとでもなりますよ」

「う・・・」

「さ、私の部屋はあの向こうですよ」

「けっこう遠いですね」


「地獄は天国よりずっと広いですからね。でもその分貴方とこうして手を繋いでいられる時間が長いので良いです」


恥ずかしげもなくさらっと言われる


その分私がその恥ずかしさを背負う如く、またどきどきが速くなった
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